申立から開始決定まで(弁済禁止の保全処分・監督委員)
弁済禁止の保全処分
民事再生申立てから,再生手続開始までには,一定の時間を要することから,その間の手形の不渡り・弁済を止めるためには,民事再生の申立てと同時に,弁済禁止の保全処分申立を行わなければならないことになります。
破産では,破産法28条に債務者の財産に関する保全処分という制度がありますが,ほとんど利用されていないのに対して,民事再生では,ほぼ100パーセント,弁済禁止の保全処分申立を行うということになります。
弁済禁止の保全処分は,裁判所の定める特定の日 以前の原因に基づいて生じた債務の弁済及びこれに係る担保の提供を原則として禁止するものです。
この保全命令が出ることによって債権者に対して,「いや,払いたいのですが裁判所から払うなという命令が出ているので払えません。ごめんなさい」と言うことができるようになります。
民事再生申立てから,再生手続開始までには,一定の時間を要することから,その間の手形の不渡り・弁済を止めるためには,民事再生の申立てと同時に,弁済禁止の保全処分申立を行わなければならないことになります。
監督委員とは
民事再生手続は,原則として,再生債務者が主導で行う手続です。
しかし,再生債務者の自由にやらせては,民事再生という手続の意味がなくなってしまいます。
そこで,裁判所が監督委員を選任して,監督委員が,中立的な立場で,後見的に関与して,再生債務者の再生手続を監督するというシステムになっています。